東京五輪が行われる2020年には、世界で生成されるデータ量が44ゼタバイトに達すると予測されています。スマホやセンサーが生み出すデータが指数関数的に増加するとみられているからです。企業の競争優位は、今以上にデータから導き出される、優れた洞察によって左右されることになるのは間違いないでしょう。
また、これまでの情報システムは現実世界のごく一部しか扱うことができませんでしたが、膨大なデジタルデータは現実世界を丸ごとリアルタイムで可視化することもできるようになるといわれています。例えば、製造業などでは、現実世界に仮想世界を重ね合わせる「ミクストリアリティ」を活用すれば、稼働中の生産機器をより詳細に監視できるようになり、品質の維持が難しい海外拠点においても「日本品質」を実現できるようになるでしょう。経験豊かな匠の技を「人工知能」で再現できれば、テクノロジーの可能性はさらに広がります。
ITmedia Executive Power Breakfastでは、カシオ計算機で調達、製造、物流を統括する矢澤篤志執行役員をお招きし、「デジタル時代の競争優位に向けた生産戦略と日本品質の再構築」について議論していきます。
テクノロジーの爆発的な進化は、人の暮らしや働き方をこれまでとは全く異なるものへと変えようとしています。しかも、その変化はいずれ訪れるものではなく、シリコンテクノロジーに支えられた指数関数的なスピードで、あっと言う間に押し寄せようとしているのです。日本企業が営々と築き上げてきたビジネスモデルやそれを支える情報システムさえ根底から覆されかねません。
規制に縛られてきた日本の金融においても大きな変革が起ころうとしています。顧客を起点としたアンバンドリングが進む中、競うように「API」の公開が始まったのは象徴的な出来事でしょう。
メガバンク、みずほフィナンシャルグループでも先端テクノロジーを活用し、これまでのビジネスの殻を破る挑戦が始まっています。さまざまな機器が相互に接続するIoTにおいても安心・安全な決済を実現する「IoT決済プラットフォーム」の構築がそのひとつです。決済というビジネス上極めて重要な機能を提供している銀行が、データの流れるところで顧客やパートナーと緊密に連携していくことは、ほかのプレーヤーに奪われることが許されない領域であると同時に、新たな金融サービスを創出、未来の銀行像を模索していく上でも不可欠です。
第20回 ITmedia Executive Power Breakfastでは、みずほフィナンシャルグループでデジタル戦略を牽引する大久保光伸シニアデジタルストラテジストをゲストにお迎えし、デジタルテクノロジーが創造する新たな金融サービスについて議論していきます。
九州を拠点に総合ディスカウントストアを展開するトライアルカンパニーは、今でこそ小売業として知られていますが、その出発点は意外にもソフトウェア開発でした。主に流通業向けのITシステムを開発してきた同社が、ディスカウントストア「トライアル」1号店をオープンさせたのは1992年。以来、四半世紀で約200の店舗を全国展開し、年商も3500億円を突破するまでになりました。
先ごろには、経産省の呼び掛けに応じ、買い物レシートの電子化、「電子レシート」の実証実験に参加しています。Walmartに学び、日本型スーパーセンターを目指すトライアルは、ITの力、データ分析の力で流通の効率化を実現し、さらには「IoTショッピングカート」によるリアルタイムのレコメンデーションや導線分析、「画像認識」による顧客プロファイル分析など、新たな仕掛けを次々と投入していく計画です。
第18回 ITmedia Executive Power Breakfastでは、トライアルホールディングスでグループCIOを務める西川晋二氏をお招きし、デジタルテクノロジーによるリテール変革について議論していきます。
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