昨年来、世界を揺るがした経済パニックも落ち着きを見せ、第1四半期(1~3月)に底を打ったとの見方も出ています。まだまだ実感がわかないものの、この不景気を好機として果敢に挑戦、最高益を記録する企業も現れています。
もとより、景気が上向いたとしても、すべての企業にかつての好況が戻るわけではありません。変革に基づく新たなビジネスモデルの創造や、単にリスクを避けるだけでなく果敢に挑戦する企業風土の醸成などが求められています。
第10回 ITmedia エグゼクティブセミナーでは、成熟した市場でも情報を軸としたイノベーションによって活路を 見出した成功企業をお招きし、意思決定までの経営分析プロセスを学び、次なる成長期に向けて企業が取り組むべき情報活用戦略について議論します。
プログラム |
13:00 ~ 13:30 |
受付 |
13:30 ~ 13:40 |
開会挨拶 |
アイティメディア株式会社
ITmedia エグゼクティブ 編集長
浅井 英二
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13:40 ~ 14:40 |
基調講演 |
成功企業に学ぶ 『今こそ情報を軸とするイノベーションが求められるとき ~ローソンの情報活用戦略~』
世界同時不況が克服されても、もはやかつてのような「量」を追及する成長を企業が求めることは難しくなるでしょう。日本市場全体が「成熟」市場となる中、量から「質」への転換と、それを実現する情報を軸とするイノベーションが求められています。
講演者: 株式会社ローソン 常務執行役員 CIO ITステーション ディレクター 横溝 陽一 氏
1979年3月、慶應義塾大学 工学部 機械学科 修士課程修了。同年4月、三菱商事株式会社に入社。1986年6月、米国MIT Sloan School 経営学 修士課程修了。2002年5月、米系ソフト会社i2テクノロジーズ・ジャパン株式会社 代表取締役社長 就任。大手企業の
SCM業務改革に取り組む。2007年4月、株式会社ローソンに入社、同年7月、CIOに就任。ITシステム投資を担当するとともに、次世代ITシステム ローソン3.0を活用した全社業務改革「PRiSM」を推進中である。
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14:40 ~ 15:30 |
パートナーセッション1 |
『企業価値向上経営のご提案 “100年に1度の経済危機”を迎えて』
今回の経済危機は100年に1度と言われていますが、もはやこういった状況は今後も当たり前のようにやってくると予想されます。直近の利益確保の努力をすることは勿論必要ですが、今後改めて必要なことは、会社として肝心なものを失うことなく、経済環境がいつどのようになろうとも決して沈まない会社、どんな暴風雨と荒波に襲われようとも決して沈まない船の仕組みを、普段から造っておくことだと考えます。
IBMは、こんな時代だからこそ“決して沈まない船”のための仕組みづくり、企業価値向上経営を提案していきたいと考えています。
講演者: アイ・ビー・エム ビジネスコンサルティング サービス株式会社 事業開発 兼 ゼネラルビジネス担当 金子 典嗣 氏
監査法人のマネジメントコンサルティング部門を経て現職。流通・小売業の、企業・ビジネス変革支援を長年専門とする。事業構造と経営の仕組みの整合性を常に確保して変革、あわせて意識改革・人財開発も行う。現在、企業価値向上をテーマに、業種業界を問わず会社の全業務領域を対象とした総合的経営支援活動を推進中。中小企業診断士。
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15:30 ~ 15:40 |
休憩 |
15:40 ~ 16:30 |
パートナーセッション2 |
『IBM Cognosが提唱する流通業界向けPerformance Managementとは(仮)』
IBM Cognosが提唱する流通業界向けPerformance Management方法論(KPI活用論)とはどのようなものかを、海外の最新流通動向の事例を交えてご紹介させていただきます。
講演者: IBM Software Group, Information Management AVP Global Retail Industry for Cognos Patricia Waldron(パトリシア ウォルドロン 氏)
20年以上に渡る豊富な業界経験を持ち、これまでに富士通ICL、Stores Automated Systems Inc. (SASL)、Lawson Softwareをはじめ、流通業界におけるグローバル企業にてマーケティング、製品・ビジネス開発といった幅広い業務のなかでシニア・マネージメントのポジションを歴任。最初の勤務先であるPillsbury Companyの1社であるGordon's Jewelers and S&A Restaurant Corpでは、店舗運営、IT、財務部門でのポジションを担当。現在、IBM Cognosソフトウェアを利用する世界の何千社もの顧客とともに、ベスト・プラクティスを推進するコミュニティーの構築も行っている。
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16:30 ~ 17:30 |
特別講演 |
『破壊的イノベーションか多様化イノベーションか 部分代替と完全代替の違い』
既存企業は、既存製品・サービスを置き換えてしまう破壊的イノベーションへの対処が遅れると言われる。アナログカメラ、フロッピーディスク、ワープロ、パソコン通信などが破壊的技術に置き換えられた製品・サービスの例である。一方、挑戦的製品が、既存のセグメンテーション地図を大きく塗り替えてしまうケースがある。ギャザー付紙おむつ対テープ式紙おむつ、コンビニ対スーパー、オープンソース対インソースなどがそれらの例である。 後者(多様化イノベーション)の特徴は、完全な置き換えではなく、需要家の一部の乗り換え、新技術による新市場の創出にある。前者(破壊的イノベーション)と後者(多様化イノベーション)の本質的な違いが何にあるかを議論し、新しい技術の影響力の将来へのインパクトを読む方法について考える。
講演者: 早稲田大学大学院教授 早稲田大学IT戦略研究所所長 経営情報学会会長 根来 龍之 氏
1952年、三重県生まれ。京都大学卒業(社会学専攻)、慶應義塾大学大学院経営管理研究科修了(MBA)。鉄鋼メーカー、英ハル大学客員研究員、文教大学などを経て現職。経営情報学会会長、Systems Research誌Editorial Board、国際CIO学会誌編集長、CRM協議会副理事長。
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