テクノロジーの爆発的な進化は、人の暮らしや働き方をこれまでとは全く異なるものへと変えようとしています。日本企業が営々と築き上げてきたビジネスモデルさえ根底から覆されかねません。例えば、規制に縛られてきた日本の金融においても大きな変革が起ころうとしています。顧客を起点としたアンバンドリングが進む中、競うように「API」の公開が始まったのは象徴的な出来事でしょう。

しかし、企業には膨大な既存情報システムがあり、それらを次世代にも引き継ぎ、生かしていくという課題があります。コンピューティングの主流となりつつあるクラウドへの移行も一筋縄ではいきません。セキュリティへの懸念はもちろんのこと、オンプレミスのITインフラを前提として構築されてきた情報システムは、可用性のような非機能要件を実装しており、これが安易なクラウド化の「落とし穴」となるからです。

もとより、情報システムには、次世代にあっても変える必要のないものがあります。例えば、ERPはその代表的なものと言えるでしょう。オンプレミスであってもクラウドであっても、既存システムはAPIを上手く活用することで、FinTechのように、クラウド向けに新たに開発する次世代のアプリケーションとも連携できるようになり、企業間連携やエコシステムの構築も加速できるはずです。

ITmedia エグゼクティブセミナーでは、情報システム部門を牽引役とし、ITを活用したビジネスの変革、すなわち「デジタル変革」への取り組みを本格化させる富士フイルムと、さまざまなデジタルテクノロジーを駆使し、新たな情報システム部門の役割を見出そうとしている東急ハンズをお招きし、デジタル変革への取り組みについて議論を進めていきます。


基調講演 講師プロフィール

富士フイルムホールディングス株式会社
経営企画部 IT企画グループ長
柴田 英樹 氏


入社以来、基幹系システム、プライベートクラウド、情報セキュリティなど社内情報システムのICT戦略策定・企画・開発・運用に従事し、現在は全IT領域を統括。近年、グローバルでのパブリッククラウド活用を推進するとともに、スマートデバイスやビッグデータの活用の基盤を整備し、デジタル変革やワークスタイル変革に寄与する活動にも従事。

特別講演 講師プロフィール

ハンズラボ株式会社 代表取締役社長
株式会社東急ハンズ 執行役員 オムニチャネル推進部長
長谷川 秀樹 氏


2008年、東急ハンズに入社後、情報システム部門、物流部門、通販事業の責任者として改革を実施。デジタルマーケティング領域では、Twitter、Facebook、コレカモネットなどソーシャルメディアを推進。その後、オムニチャネル推進の責任者となり、東急ハンズアプリでは、次世代のお買い物体験への変革を推進している。2011年、同社執行役員に。2013年、ハンズラボを立ち上げ、代表取締役社長に就任。

対象者

一般事業会社および官公庁団体における、経営層/CEO/CIO/事業部門長・課長/経営企画部長・課長/情報システム部門長・課長 など

※ 協賛企業の競合企業にお勤めの方、個人の方のお申し込みはお断りすることがございます。
※ 申込多数の場合、対象の方を優先させていただく場合がございます。あらかじめご了承ください。


講演プログラム

受付
13:00~13:30
 
開会挨拶
13:30~13:40
浅井 英二
 アイティメディア株式会社
 エグゼクティブエディター
   
基調講演
13:40~14:30
変革を起こし続ける富士フイルム
「成果」追求で情報システム部門が牽引


かつてデジタル化によって主力事業の需要が急激に減少し、大きな危機に見舞われた富士フイルムですが、ピンチをチャンスに変える大胆な事業構造の改革によって再び成長軌道に回帰しています。継続的なイノベーションによってさらに成長を加速すべく、同社では、情報システム部門を牽引役とし、ITを活用したビジネスの変革、すなわち「デジタル変革」への取り組みを本格化させています。IT基盤のクラウドシフトが進み、情報システム部門のビジネス貢献が要求される中、従来型のシステム構築・運用だけでなく、ITがもたらす「付加価値」の提供、そして、業務の自動化という「成果」にこだわり、情報システム部門自身の変革にもチャレンジしています。

柴田 英樹 氏
 富士フイルムホールディングス株式会社
 経営企画部 IT企画グループ長
 
セッション1
14:30~15:10
事例から読み解く! Herokuだからできるアジャイル開発最前線

CRMや営業支援のイメージの強いSalesforce。様々なクラウドソリューションの中で、様々な場面で必要性が説かれている「アジャイル開発」を強力に支援するPaaSソリューション、Salesforce Herokuを実際に導入・活用されているSOMPOシステムズ 渡邊氏をゲストに迎え、その優位性を解説いたします。

渡邊 英司 氏
 SOMPOシステムズ株式会社
 デジタル戦略本部
 eマーケティンググループ統括担当部長

永野 智 氏
 株式会社セールスフォース・ドットコム
 Heroku営業本部 執行役員 本部長
 
休憩
15:10~15:20
 
セッション2
15:20~16:00
「進化」するためのデジタル変革 ー デジタル化が企業にもたらす本質的な価値とは?

「デジタル化」という言葉は世の中に蔓延していると言っても過言ではありませんが、単に紙の上の情報をデータに落とすといった形式的な方法が多く見られます。デジタルに移行することで得られる本質的な価値や業務プロセスへのインパクトを、海外の先進事例や世界150万社が利用する弊社サービスにおける事例などを含めてお話します。

菊池 孝明 氏
 トレードシフトジャパン株式会社
 ゼネラルマネジャー
 
セッション3
16:00~16:40
攻めのITから入るデジタル変革:
―APIによるマイクロサービス化と既存資産の活用


各企業のビジネスにおいて、ますます市場へのリーチスピードが求められる昨今、ITは受け身から攻めのツールへと変化しています。
ビジネスコアである既存システム資産を最大限に活用しつつ、攻めのデジタル変革を行うために必要なファクターは何なのか、今日のビジネスにおけるマイクロサービスの位置付けやAPIの重要性についてご紹介いたします。


手塚 由起子 氏
 日本CA株式会社
 シニアコンサルタント
 
コーヒーブレイク
16:40~16:50
 
セッション4
16:50~17:30
デジタル変革で求められるアナリティクスの実現にむけて

デジタル変革とはデータとアナリティクスによるビジネス価値の創造と拡大と定義できます。ビッグデータ収集の技術的な課題が克服され、いよいよアナリティクスの実現が喫緊の課題と認識され始めています。ところが、Qlik調査では、データを読み解き、分析を行い、議論する能力であるデータリテラシーに自信があると回答した日本のビジネスパーソンは6%と世界最低レベルでした。アナリティクスを推進するための課題と対策について、組織、プロセス、ツールの観点からQlikが考えるアプローチをご紹介します。

北村 守 氏
 クリックテック・ジャパン株式会社
 カントリーマネージャー
 
特別講演
17:30~18:20
デジタル変革で消えゆく情シス、輝き始める情シス

突然ですが情シスの皆さん、我々は、コンピューターの仕事をしていますが、多くのシステムは、伝票処理システム(四則演算のシステム)です。でも、最近、AI、bot、音声認識といった新しいものが色々出て来ています。同時に経営環境や情シスへの期待やニーズが変化する中、基幹系データを有効活用する準備はできていますか?
Xデーは、そのうちきます。ただ、言い換えれば、やっと、情報システム部が、輝く土壌ができて来ました。本セッションでは、新・情報システム部としての持論をお話します。


長谷川 秀樹 氏
 ハンズラボ株式会社 代表取締役社長
 株式会社東急ハンズ 執行役員 オムニチャネル推進部長
 

※登壇者、タイムテーブルが変更になる場合がございます。あらかじめご了承ください。


主催


ITmedia エグゼクティブ

協賛



株式会社セールスフォース・ドットコム


トレードシフトジャパン株式会社


日本CA株式会社


クリックテック・ジャパン株式会社