自動車向け機能安全規格であるISO 26262が正式発行されて4年目を迎えました。国内の大手自動車メーカーとメガサプライヤは、ISO 26262への対応を着実に進めていますが、中小のティア1サプライヤや、ティア2以下のサプライヤの対応が順調に進んでいるとは言えない状況に変わりはありません。

 そのISO 26262も第2版の検討が始まりました。第2版では、これまで乗用車だけだった適用対象が二輪車や商用車に拡大するだけでなく、規格内容の修正/変更も予定されています。既に規格対応を完了したとする企業にとっても、さらなる体制の変更が必要になる可能性があります。

 また自動車開発の課題として「車載セキュリティ」も急浮上してきました。コネクテッドカーと呼ばれるように、常時通信接続によるサービスが自動車でも当たり前になってくると、悪意のある攻撃者から車載システムを守る手段が必要になります。自動運転技術の導入が始まれば、映画のようにハッカーにクルマを乗っ取られるという可能性がないとはいいきれないのです。

 そして、ISO 26262が対象とする機能安全を確保するためには、この外部からのハッキングに対抗する車載セキュリティも必須の要件になり得ます。

 MONOistでは、自動車を含めた全ての機器がインターネットにつながるIoT(モノのインターネット)時代に求められる、ISO 26262と車載セキュリティに着目し、セミナーを企画しました。本セミナーでは、車載システム/ハードウェア/ソフトウェアの開発を担当している技術者を対象として、ISO 26262や車載セキュリティに対応するための指針について解説いたします。

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基調講演 講師プロフィール

一般社団法人 日本自動車工業会
エレクトロニクス部会 電子安全性分科会長
川名 茂之 氏
自動車工業会エレクトロニクス部会電子安全性分科会で分科会長として、車載電気電子システムの安全設計基盤技術の業界活動に従事。同時に日本自動車技術会機能安全分科会幹事、ISO/TC22/SC32/WG8(ISO 26262)の国際標準化のエキスパート、SAE機能安全委員会の委員等を務める。トヨタ自動車(株)制御システム基盤技術部に所属。

特別講演 講師プロフィール

株式会社ジェイテクト
システム開発部 部長
賀治 宏亮 氏
1992年4月 光洋精工(株) 中途入社
2006年1月 (株)ジェイテクト(豊田工機との合併)
現在     ジェイテクト システム開発部 部長       

開催概要

タイトル IoT時代の自動車に求められるISO26262と車載セキュリティ
日時 2015年7月30日(木) 13:00~17:45(受付 12:30~)
会場 ソラシティ カンファレンスセンター Room C
JR 中央・総武線   「御茶ノ水」駅 聖橋口から徒歩1分
東京メトロ 千代田線 「新御茶ノ水」駅 B2出口 [直結]
東京メトロ 丸ノ内線 「御茶ノ水」駅 出口1から徒歩4分
都営地下鉄 新宿線 「小川町」駅 B3出口から徒歩6分
定員 100名
対象 自動車メーカー、サプライヤおよび関連する組み込みソフトウエアメーカーにおいて開発・設計に携わるリーダークラスの方
※協賛の競合企業にお勤めの方、および上記対象外の方のお申し込みはお断りすることがございます。予めご了承ください。
参加費 無料
主催 アイティメディア株式会社 産業テクノロジー事業部 編集統括部
協賛 イーソル株式会社
SGSジャパン株式会社
NXPセミコンダクターズジャパン株式会社
QNXソフトウエアシステムズ株式会社

※講演内容、登壇者などプログラム内容が変更になる場合がございます。予めご了承ください。
※受講者の皆様におかれましては、本セミナー会場内でのカメラ・ビデオカメラ等及びカメラ機能付き携帯電話等での撮影・録音・録画を禁止させて頂いております。何卒ご協力のほど、お願い致します。

プログラム

12:30~ 受付
13:00

13:05
開会挨拶
13:05

13:50

基調講演

今後の車載システムの安全設計と国際標準

ISO 26262は2011年11月に発行され、4年間の運用期間を経て、業界のState of the Artを目指すべく、2015年1月に改訂作業が始まった。 これからの車載電子システムは高度運転支援システムから来るべき自動運転まで制御システムへの安全設計の要求は 高まるばかりで、これらの期待を受けて従来の機能安全を拡張し、CyberSecurityも意識した制御システムの安全設計を規格として整備する方向へ動いている。
業界の最新動向をお知らせする。

講演:
 一般社団法人 日本自動車工業会
 エレクトロニクス部会
 電子安全性分科会長
 川名 茂之 氏
13:50

14:30

セッション 1

セーフティ、セキュリティに関して、車載OSに求められる要件

将来の自動運転実用化に向けて、車載のソフト環境はダイナミックに変動している。 デジタルクラスタとインフォテイメント機能の統合化を始めとし、スマホ連携、ADAS、V2X、IoT等、各種先進技術が単独では成立せず、 統合化ならびに分散化で密に関連するシステムとなる。車載OSとしては、高機能性、堅牢性、高可用性に加えて、 機能安全、高いセキュリティの確保が要求される。ここでは、将来のトレンドに対して、QNXのソリューションを解説する。

講演:
 QNXソフトウエアシステムズ株式会社
 ビジネスデベロップメント(自動車担当) マネージャー
 中鉢 善樹 氏
14:30

14:45
休憩
14:45

15:25

セッション 2

イーソルのISO26262適合支援ソリューション

ISO 26262 ASIL D認証リアルタイムOS、ECUのAUTOSAR対応支援ツール、トレーサビリティ管理を 支援する開発プロセスツール、実践的なノウハウを踏まえたコンサルティングなどを組み合わせた、 情報系、制御系双方をカバーするISO 26262適合支援ソリューションを紹介する。

講演:
 イーソル株式会社
 技術本部
 宿口 雅弘 氏
15:25

16:05

セッション 3

適用事例から学ぶISO26262適用のコツと適用後のメリット

プロセス定義・モデルベース開発・開発/管理ツールなど、ISO 26262適用時によくある課題と対策、 及び、ISO 26262適用後に企業・管理者・開発者が楽になる要素をご紹介いたします。

講演:
 SGSジャパン株式会社
 コンシューマーテスティングサービス 機能安全グループ
 テクニカルチーム シニアエキスパート
 河野 喜一 氏

【MONOist 執筆実績】
 自動車分野の機能安全規格「ISO26262」とは何か?
16:05

16:20
休憩
16:20

17:00

セッション 4

Advanced Technologies for Securely and Intelligently Connected Vehicles
(セキュアでインテリジェントなコネクテッド・カーのための最新技術)
※同時通訳あり

近い将来、コネクテッド・カーはIoTの一要素となり、確実なセキュリティ技術は自動車産業で重要な成功要因となる。NXPは、暗号および認証技術の世界的リーダーとして、自動車業界に銀行決済レベルのセキュリティを提供する。
当プレゼンテーションでは、到来するV2X技術に関する洞察と現在開発中の事例を取り上げ、ADASコンセプトの見通しを語る。

講演:
 NXPセミコンダクターズジャパン株式会社
 NXP Semiconductors Germany GmbH
 Director, Global Automotive Security Marketing,
 Product Line Secure Car Access
 Klaus Reinmuth 氏
17:00

17:45

特別講演

電動パワーステアリングのISO26262対応と冗長設計

簡単なEPSの説明から、ISO 26262対応体制について紹介をし、EPSの故障モードのASILに対する現在の位置づけと、 それへの技術的な対応内容を紹介し、将来EPSに要求されている機能から対応必須となると考えられる システム冗長設計についての紹介をする。

講演:
 株式会社ジェイテクト
 システム開発部 部長
 賀治 宏亮 氏
17:45
閉会挨拶

※講演内容、登壇者などプログラム内容が変更になる場合がございます。予めご了承ください。
※受講者の皆様におかれましては、本セミナー会場内でのカメラ・ビデオカメラ等及びカメラ機能付き携帯電話等での撮影・録音・録画を禁止させて頂いております。何卒ご協力のほど、お願い致します。

■お問い合わせ先:アイティメディア株式会社 イベント運営事務局
E-Mail: event_em@sml.itmedia.co.jp    TEL: 03-6824-9377

主催

協賛